【100分de名著 パスカル『パンセ』】矛盾や揺らぎは「人間らしさ」なのかも
NHKオンデマンドで『100分de名著』の2012年6月放送、パスカルの『パンセ』を視聴しました。
本でいうと、かなりの厚さでちょっと気軽に手が出ないボリューム…😣
でも内容は、小説のような長い物語ではなく、パスカルが日々感じたことや思索の断片をつづった「メモ集」のようなスタイル。気になるページから少しずつ読めるかもしれない、と思えてきました。
「昨日の私」と「今日の私」は、もう別の人?
番組の中で特に印象に残ったのは、
「昨日の自分と今日の自分は違う、今日の自分と明日の自分もまた違う」
というパスカルの見方でした。
私たちは「他人と違う」だけでなく、時間とともに自分自身も変わっていく存在。
性格や好み、考え方、感情さえも、固定されたものではなく、日々の経験や環境の影響で変わっていく。
- 昔は正しいと思っていたことが、今はそう思えない
- 苦手だった人やモノが、気づけば好きになっている
こんなふうに、自分の中にも「変化」や「矛盾」が起きるのは当たり前で、それこそが人間の本質的な姿だとパスカルは言います。
矛盾してても、偽りとは限らない?
さらに心に響いたのが、こんなパスカルの言葉。
「矛盾があるからといって偽りとは限らず、矛盾がないからといって真実とは限らない」
一貫性がなくても、そこに嘘があるわけじゃない。
逆に、整然としているからといって、それが真実とは限らない。
え、そうなの?
他人に対しても、自分自身の中でも、「矛盾」しないことが重要と思っていました。でも、矛盾が出てくるというのも人として自然なことなんですね。
「考えるしかない」からこそ、人は人である
人間には「理性」と「感情」「本能」という、相反する性質が共存している。
その矛盾した存在こそが人間らしさであり、それを無理に整理しようとするより、まず受け入れることが大切なのかもしれません。
そう考えると、あの有名な一節の重みも変わって見えてきます。
人間は考える葦である。
矛盾しても、揺らいでも、それでも「考える」。
それこそが私たちが人である理由なのか…と、深く心に刺さりました。
▼今日のひとこと感想
自分の中の「ブレ」や「矛盾」に苦しむことはよくあるけど、それを「人間らしさ」として受け止める視点をくれた100分でした。
「矛盾しても、それがいまの本当の私かもしれない」
そう思えるだけでも、なんだか少し楽になります。そこからまた考えていくーーーですね。
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